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相続放棄と法定相続人 (2020.06.02)

 

 

以前のトピックスで、法定相続人について触れましたが、今回は相続放棄を絡めて法定相続人のお話をしたいと思います。

⇒【法定相続人とその見分け方】はこちら

 

1.相続放棄の誤った捉え方

法定相続人は、血族相続人配偶者相続人が存在し、血族相続人は第1順位(子・孫等の直系卑属)、第2順位(親・祖父母等の直系尊属)、第3順位(兄弟姉妹)と順位が決まっており、先順位の相続人が一人もいない場合に限って、後順位の相続人に相続権が帰属します。

一方、配偶者は血族相続人と共に、常に相続人となります。

相続実務をやっていると、下記のような家族関係において『主人の遺産は私と二人で築いて来たから、子供たちには相続放棄をしてもらえばいいわね。』という話を良く耳にします。

 

 

 

相続放棄には、

①家庭裁判所に正式に申立てる方法(ここでは正式な相続放棄といいます)

②遺産分割協議書にハンコを押す方法(ここでは事実上の相続放棄といいます)

と2種類の方法があります。

 実務での遺産分けに良く登場する相続放棄は、②の方です。

 

2.相続権は流れてゆく?

さて、前述の奥様の発言のとおり、子供達2人に『相続放棄』してもらうとしたら、①と②どちらの方法を選ぶべきでしょうか。

奥様の意図が②の事実上の相続放棄であれば、法定相続人は奥様と子供達ですので、遺産分割協議により奥様が単独で取得することが可能です。

ですが万が一、上記の家族関係で①の正式な相続放棄の方法を取ってしまうと、妻が遺産の全てを取得出来るのでは無く、法定相続人は妻と故人のご兄弟全員ということになってしまいます

 

 

第1順位、第2順位等の先順位の法定相続人がいない場合に、第3順位の兄弟姉妹が法定相続人として登場する訳ですが、この先順位の法定相続人がいない場合とは、先順位の法定相続人が相続放棄をした場合も含んでいきます

なぜなら、民法では「相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」と規定されているからです。

本来ならば、母と子二人での円満な遺産分割で済む相続関係のはずが、上記の事例ですと、兄弟全員に家庭裁判所に相続放棄を申し立ててもらうか、兄弟全員と遺産分割協議をして同意してもらう必要が出てきますので、余計にややこしい事態を引き起こしてしまいます。

負債がある場合や、親子関係に複雑な亀裂が生じている場合など、手続き上で相続放棄が望ましいこともありますが、どの手続きを選択するかは大局的に判断する必要があり、専門家によるコンサルティングを受けられることをお勧め致します。

【借金等がある場合の相続手続き】はこちら

当法人では、正式な相続放棄をすべきか事実上の相続放棄をすべきかを判断して、ご家庭の状況に応じて一番最適な提案をさせて頂いております。

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