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遺留分と生命保険 (2020.06.03)

遺留分と生命保険

 

 

 

1.生命保険は相続対策になりうる?

前回までのトピックスで、遺言書と遺留分について取り上げました。

⇒【遺言書と遺留分請求】はこちら

 

実社会では、どうしてもこの人には相続させたくない、また、どうしてもこの人に全ての財産を相続させたい等といった理由から、特定の相続人の遺留分を侵害してしまう遺言を書くことが多々あります。

私どもが遺言のご相談を受けた場合、予め全遺産を評価して、総体的遺留分と各相続人の個別的遺留分を算出し、請求されうる遺留分相当額を確保した遺言を書くことをご提案するのですが、実際に遺言を書く方の感情は、そう合理的に結論づけることが出来ないことが通常です。

そこで今回は、遺留分を侵害してしまう遺言書を残す場合に有用な相続対策を、事例を用いてご紹介します。

 

2.生命保険の活用事例

下記の家族関係で、遺言者が一切の財産を後妻に相続させる旨の遺言を書いたとします。

遺言を書いた時点の総財産は、時価6,000万円の自宅と、退職金で得た1,500万円の計7,500万円のみとします。

 そうすると、何も対策を講じていない場合、前妻の子たちの各遺留分(個別的遺留分)は総財産に対して、12分の1(法定相続分の2分の1)ずつとなります。

よって後妻は相続開始後、前妻の子たちから625万円ずつ遺留分請求をされるリスクが出てきます

 後妻に手持ちの預貯金等の金融資産がほとんどない場合、最終的に自宅である不動産を売却せざるを得ない危険性があります。

 

この場合で有用な相続対策は、

保険契約者=遺言者 
被保険者=遺言者 
受取人=後妻 

とする生命保険を組む事です。

 

生命保険は受取人固有の財産として遺産分割の対象及び相続財産から離脱していくことが判例で認められていますので(最判昭和40年2月2日)、相続財産を減らす効果と、結果的に、請求される遺留分も減額させる効果があります。

上記事例で言うと、退職金で得た1,500万円を受取人=後妻にして生命保険を組んでおけば、相続財産は6,000万円の自宅のみとなり、各人の遺留分は500万円に減額することが出来ます。

遺留分権を行使するかは、各遺留分権利者の自由意思に委ねられていますが、仮に先の事例で生命保険を組んでおらず、後妻の子たち全員から遺留分権を行使された場合、後妻は総額1,875万円(1人あたり625万円×3人分)を支払う必要が出てきます。

後妻に、預貯金等の金融資産が無ければ非常に重い負担となります。

生命保険を組んでいれば、遺留分権を行使されても、最大1500万円(1人500万円×3人分)まで減額する効果があります。
(※但し、遺産に占める保険金の額が過大になりすぎると、特別受益等の別の問題が浮上してきます。)

遺留分を支払う程のめぼしい金融資産がない場合は、非常に有用な対策と言えます

 


金融資産を保険に組み替えて、遺留分対策や税務対策に備えることは、相続を専門としている司法書士・税理士で無ければご提案が出来ないと言えます。 

当法人には、相続専門の司法書士が在籍しており、また、相続専門の税理士・相続専門のファイナンシャルプランナーと強力なパートナーシップを組み、生命保険の加入等、最適な相続対策をご提案をさせて頂いております。

遺言を含めた生前対策をご検討の際は、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、是非一度お気軽にご相談下さい。

 

 

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