相続財産の調査方法 (2021.02.04)

相続が発生し、被相続人が遺言書を残していなかった場合には、相続人の調査と相続財産を調査して、誰がどの相続財産を引き継ぐのかを決める遺産分割協議をすることになります。
また、相続財産がプラスになるとは限らず、債務の方が上回る状態である可能性もあります。
債務超過の場合には、相続放棄する方法も検討しなければなりません。
相続税がかかる場合の確定申告にも、相続放棄する場合にもそれぞれ時間的制限がありますので、早期に相続財産(遺産)の調査をしていくようにしましょう。
相続財産の中で大きなウエイトを占めるのは、不動産と預貯金・有価証券などの金融資産です。
不動産は人によって所有していない場合もありますが、預貯金口座を所有していない人はほとんどいないでしょう。
つまり、相続財産(遺産)を探すというのは、主に不動産と預貯金・有価証券の調査ということとなります。
預貯金口座の調査は、一括検索のステムのような制度はなく、地道な調査が必要になります。
最初の調査としては、被相続人の預金通帳と郵便物から調査をしていきます。
被相続人名義の通帳があれば、その金融機関に預貯金があることが推察できます。
また金融機関から郵便物が届いている場合にも、その金融機関に預貯金がある可能性が高いでしょう。
貯金通帳や郵便物がない場合には、近くにある金融機関に問い合わせてみます。
また、勤務先の近くの銀行に問い合わせてみるのもいいでしょう。
自宅に金融機関名の入ったカレンダーやタオルなどあった場合にはその金融機関にも問い合わせてみましょう。
同じ金融機関であれば他支店のものも全店舗照会により調べることができるので、片っ端しから金融機関をまわるのも一つの手です。
しかし、がむしゃらに金融機関をあたるのは時間も手間もかかるので、遺品の中からある程度の目星を付けてから調査に入るのをお勧めいたします。
有価証券の調査も、まずは、被相続人あての郵便物などの調査から始めます。
証券会社から通知が来ていればその証券会社に口座を開設している可能性が高いので、証券会社に問い合わせをします。
被相続人が株式を持っていたがどこの証券会社に持っているかわからない、またはそもそも株式を持っていたのかわからないといった場合には、証券保管振替機構へ開示請求を行うという手があります。
証券保管振替機構へ開示請求をすると、上場されている国内株式等に係る口座が開設されている証券会社、信託銀行等を確認できます。
預けている証券会社、信託銀行が分かればそれからその証券会社、信託銀行へ問い合わせをするといった流れで調査をしていきます。
不動産については、市役所や都税事務所などから届いた固定資産税の通知書があるかどうかを注意して調査をしましょう。
固定資産税通知書には、土地の地番や建物の家屋番号まで記載されているので、その地番などをたよりに法務局で登記簿謄本を取得し権利関係を把握しましょう。
不動産を調査する方法の一つとして「名寄帳」というものを役所で取得する方法があります。
この名寄帳には、その役所内にある課税不動産の全てが記載されますので被相続人が所有していた不動産を調査するのに便利です。
注意しなくてはいけないのは、名寄帳には課税されている不動産しか記載されません。
つまり、非課税の不動産がある場合には記載されません。
非課税の不動産として代表的なものとして公衆用道路があります。
公衆用道路とは簡単にいうと自宅の前の私道のことです。
私道部分の調査の方法は、法務局で発行される公図という地図を取得し、該当する土地建物の周辺にある、それらしき部分の登記簿謄本を調べるといった形で行います。
ただ、ここまで実務的なことになると専門家でないと難しいケースなので、わからないようであれば司法書士等の専門家に相談してみるといいでしょう。
相続財産の調査は、遺産分割の前提となる大切な作業になります。
調査方法には、複雑でわかりにくい部分もありますが、当法人では、経験豊富なスタッフが分かりやすく丁寧にサポートさせていただきます。
また、そういった調査がご面倒な場合には、ご依頼頂ければ多くの手続きを代行する事も可能です。
相続でお悩みの方は、渋谷区、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまで、是非お気軽にご相談下さい。