暗号資産(仮想通貨)は相続対象となる? (2022.03.10)

以前のトピックスにて、デジタル遺産の概要についてご紹介いたしました。
今回はその中でも、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の相続に焦点を当て、ご説明させていただきます。
定義としては、『デジタル通貨の一種であり、中央銀行や公的機関が発行したものではないが、実際の通貨のように、一部決済にも使用できる通貨』のことを指します。
現在、日本円やドルなどは法定通貨と呼ばれており、国家によって保証がされていますが、一方で暗号資産(仮想通貨)は法定通貨と異なり、国家による保証も裏付けもありません。
そのため、通貨として決済に利用するというよりは、投資の対象として認知されていました。
しかしここ数年でその存在と扱いは大きく変化してきているようで、実際に中央アメリカに位置するエルサルバドルでは、自国通貨のコロンを2001年に放棄して米ドルを法定通貨として採用し、さらに2021年には暗号資産のビットコインまでも法定通貨として採用しています。(とはいえビットコインの価格は現在でも乱高下してはいますが。)
ここ日本でも、ビットコイン決済が普及し始めており、一部の家電量販店や旅行代理店でも利用することが可能となっています。
数年前では『仮想通貨』という存在自体、ごく一部の人にしか知られていなかった為、現在の状況に驚かれてる方は多いのではないでしょうか。
なお、2021年5月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨は法令上、『暗号資産』と呼ばれるようになり、資産として明確に定義されたと言えます。
(以下、本トピックスでは『暗号資産』として表記します。)
国税庁は、平成30年に暗号資産の税務上の取扱いをまとめた資料を公表しております。
⇒外部サイト【国税庁サイト 『仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』 】
この事から分かるように、国税庁が目をつける=課税対象になる、すなわち財産とみなされることになります。
実際に内容を確認してみると、しっかりと「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税の課税対象となることとされている。」と明記されております。
相続税評価額としては、他の資産と同様に相続発生日の価額に基づいて申告することとなります。
国内の暗号資産の大手取引所であるビットフライヤーでは、このようなページが設けられています。
実際の銀行と同じように、残高証明書の発行や、司法書士や行政書士などの代理人を通しての手続きも可能で、必要書類は下記のとおりです。
②法定相続情報一覧図
③相続人全員の印鑑証明書
④相続届
⑤(代理人の場合)委任状
このように、通常の銀行手続きと同様の必要書類で済むようですが、あくまで一例ですので、各取引所やケースによって変動はありそうです。
今回は暗号資産の相続についてご説明させていただきました。
通常の銀行取引のように、相続の方法が確立されていない分野ですので、お手続きで悩まれてしまうケースも今後増えてくるでしょう。
相続手続でお困りの際にはぜひ一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談ください。