海外在住の相続人がいる場合の相続手続き① (2020.05.15)

今回は、海外在住の相続人がいらっしゃる場合のお話です。ここでは、相続人が日本国籍を有する場合を取り上げます。
亡くなった方の相続人の所在を確認すると、一部の方が海外に在住しているという事例が近年増えています。
お仕事に伴う海外転勤などが主な要因のようです。
相続手続きに必要な遺産分割協議書には、相続人全員の印鑑証明書が必要ですが、このような場合はどのようにすればよいのでしょうか?
ある方がお亡くなりになった場合、生前保有されていた財産は原則、相続財産となります。
相続財産のうち、どの財産を誰が取得するかについては、特に遺言書がなければ、相続人全員での話し合いが必要です。これを「遺産分割協議」といいます。
相続手続きを進めるにあたっては、基本的に、この話し合いの結果を「遺産分割協議書」という書面にまとめなければなりません。
この遺産分割協議書には、相続人全員が署名押印(実印)し、印鑑登録証明書を添付します。
通常、印鑑証明書や住民票写しの発行は住民票がある市区町村で行います。一時的に海外に滞在している相続人の場合、日本国内の市区町村に住民票があれば、帰国して自ら手続きすることが可能です。また、代理人に手続きを依頼することもできます。
一方、海外在住で日本国内に住民票がない場合、これらの書類を取得することができません。そこで、相続手続きを進めるためには、代わりの手段を用意する必要が生じます。
まず、印鑑証明書の代わりの手段として、「署名(サイン)証明書」の取得というものがあります。
署名証明書とは、「日本に住民登録をしていない海外に在留している方に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして日本での手続きのために発給されるもので、申請者の署名(及び拇印)が、確かに領事の面前でなされたことを証明するもの」です。
遺産分割協議書を作成する場合は、事前に海外へ遺産分割協議書を送付し、それを受け取った相続人が、領事の面前で当該遺産分割協議書に署名したうえ、署名証明を受けることになります。
署名証明は、海外にある日本の在外公館(日本国大使館など)において、日本国籍を有する人のみが申請することができます。
申請者本人が手続きを行わなければならず、代理や郵送による申請を行うことはできませんのでご注意ください。
住所証明が必要になる場合には、住民票の代わりに「在留証明書」を取得できます。
こちらも海外に所在する日本の在外公館において、原則、日本国籍を有する人(二重国籍となっているケースも含む)のみ申請することができます。
いかがでしたでしょうか。
相続人が海外在住の場合、国内在住の場合とは異なる手続きが必要となります。
(⇒【海外在住の相続人がいる場合の相続手続き②】 はこちら)
どちらのケースにしましても通常よりも準備に時間がかかります。
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