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相続開始時における不動産調査 (2020.08.20)

相続開始時における不動産調査

 

≪目次≫
1.相続開始時における不動産調査
2.対象不動産の調査漏れに注意!
3.相続対象となる不動産の調査に使う資料
3-1.被相続人の手元にある書類
3-2.新たに取り寄せる必要がある書類

1.相続開始時における不動産調査

お亡くなりになった方(以下「被相続人」といいます)名義の不動産の名義変更手続きに関するご相談を相続人からいただく際、

「私の父が持っていた不動産は、自宅の土地建物くらいですよ。」

というようなお話を伺うことがよくあります。しかし、相続手続きを円滑に進めるためには、被相続人名義の不動産の洗い出しを慎重に行わなければなりません。

そこで、今回は相続開始時における不動産の調査について取り扱いたいと思います。

2.対象不動産の調査漏れに注意!

まずは、事前のヒアリングやご用意いただいた資料などの他、関係各所から複数の資料を取り寄せて、被相続人名義の不動産の所在等を改めて確認します。

と言いますのも、不動産の登記簿謄本をご覧になった方はご存知かもしれませんが、不動産の所在地は現在、皆様が普段目にするご住所の住居表示ではなく地番(土地)や家屋番号(建物)といった表記で管理されているからです

 

また、この地番は区画整理によって分筆された事で、当時1筆だった土地の所有者が、現在の登記簿謄本上では2,3筆の土地の所有者である事なども考えられるのです。

 

すると、この調査の過程で、当初相続人が把握していなかった土地建物等が見つかることが珍しくありません。

(例)
・自宅周辺の私道の持分
・マンションのゴミ置場の持分
・被相続人自身の実家
・田畑や山林の持分

遺産分割協議が終わった後にこうしたものが見つかると、遺産分割協議をやり直さなければならないため、初動の物件確認は大変重要なものとなります。

3.相続対象となる不動産の調査に使う資料

被相続人名義の不動産の所在を確認する際には、以下の資料を利用します。

・納税通知書(課税明細書)
・不動産の権利書
・固定資産税評価証明書
・名寄帳(なよせちょう)
・公図・住宅地図
・登記情報

3-1.被相続人の手元にある書類

 

①納税通知書(課税明細書)

固定資産税等の納税義務者(通常は土地建物の所有者)に対して毎年4月~6月に発送されます。

なお、この資料を読む場合には、以下の点には注意してください。納税通知書のみで不動産の調査を行おうとすると、対象不動産の漏れが生ずる可能性があります。

 

①-1.私道等の非課税部分の土地

私道(公衆用道路)などの非課税物件は記載されません

 

①-2.土地建物を共有している場合

土地建物の権利者が複数いる場合、代表者や登記簿上で筆頭となる方にしか納税通知書は通知されません

被相続人が代表者等にあたらなければ、持分を持っていても納税通知書は通知されないのです。

 

①-3.課税額が極端に低い場合

同一の市区町村内に、同一人が所有する固定資産の課税標準額の合計額が、それぞれ土地30万円、家屋20万円に満たない場合には、固定資産税は課税されません

そのため、土地・家屋ともに免税点未満の場合は、納税通知書が送付されません。

 

②不動産の権利証

権利書の記載事項の中に、私道(公衆用道路)に関する記載が含まれていることがあります。

また、自宅の権利書に混じって、被相続人が塩漬けにしていた田畑や山林の持分の権利書が含まれているケースもあります。

3-2.新たに取り寄せる必要がある書類

 

①固定資産税評価証明書

各市区町村内の固定資産(土地・家屋等)について、固定資産課税台帳(※)に登録された事項のうち、当該年度の1月1日現在の固定資産の評価額、課税標準額、所有者、所在等を証明する書類です。

※固定資産課税台帳とは固定資産の所在、所有者、状況及び課税標準である価格等が登録された公簿です。 土地・家屋の場合は、地目又は種類、地積又は床面積等が記載されています。

 

②名寄帳(なよせちょう)

名寄帳とは、固定資産課税台帳に基づき、納税義務者(通常は所有者)ごとにその土地及び家屋に関する登録事項を一覧にした帳簿です。

固定資産課税台帳は土地なら一筆ごと、建物なら一棟ごとに記載されているのに対して、名寄帳は所有者ごとに記載されます。

通常、名寄帳には非課税物件も記載されるため、納税通知書や評価証明では捕捉できない物件を調べるために取得します

なお、①②の書類は市町村の役所(東京23区は各区の都税事務所)で取得できます。

 

③公図・住宅地図

土地の大まかな位置関係や形状を確認するとともに、対象物件の周辺に私道やゴミ置場等の可能性がある土地の有無を調べます。

 

④登記情報

対象となる土地建物の名義人を確認します。

また、被相続人に借入がある場合、共同担保目録に把握していない被相続人名義の物件が記載されている場合があります。

 


被相続人名義の不動産の洗い出しは、対象の漏れがないよう細心の注意を払って行う必要があります。

後になって新たな物件が見つかると遺産分割協議のやり直しなど、想定外の時間や費用がかかってしまいますので、相続開始後の不動産調査にお悩みの方は、司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

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