成年後見制度の申し立てのために家庭裁判所に提出する書類 |目黒区 | 司法書士法人 行政書士法人 鴨宮パートナーズ

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成年後見制度の申し立てのために家庭裁判所に提出する書類 (2021.06.16)

 

 

 

≪目次≫
1.後見申立には様々な書類が必要
2.提出書類一覧
3.各書類の説明
①後見開始申立書
②申立事情説明書
③親族関係図
④本人の財産目録及びその資料
⑤相続財産目録及びその資料
⑥本人の収支予定表及びその資料
⑦後見人候補者事情説明書
⑧親族の意見書(同意書)
⑨医師の診断書及び診断書付票
⑩本人確認情報シート
⑪本人の戸籍謄本
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)
⑬後見人候補者の戸籍謄本
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)
⑮本人が登記されていないことの証明書
⑯愛の手帳のコピー(お持ちの方のみ)

1.後見申立には様々な書類が必要

成年後見制度に関して、家庭裁判所や各福祉機関によって周知活動をしていることもあり、年々制度の名前をご存じの方が増えてきていると感じます。

ご家族が認知症その他によって判断能力が低下してしまった場合に、ご自身で調べられて、家庭裁判所へ申立を行う方もいらっしゃるかと思います。

成年後見人が就任するということは、以後本人に代わって財産管理や、身上監護を行っていくという、本人に重大な変更を伴うため、裁判所も厳格な手続きを要求しています

そのため、提出する書類は多岐にわたります。

今回は、必要書類を一つ一つご紹介していきたいと思います。

 

2.提出書類一覧

成年後見の申し立てのために、裁判所には下記の書類を提出する必要があります。

なお、家庭裁判所によって若干異なる部分がありますので、今回は東京家庭裁判所の例をご紹介させていただければと思います。

①後見開始申立書
②申立事情説明書
③親族関係図
④本人の財産目録及びその資料
⑤相続財産目録及びその資料
⑥本人の収支予定表及びその資料
⑦後見人候補者事情説明書
⑧親族の意見書(同意書)
⑨医師の診断書及び診断書付票(3か月以内のもの)
⑩本人情報シート

※以上は裁判所にて書式を入手できるものです

 

⑪本人の戸籍謄本(3か月以内のもの)
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)(3か月以内のもの)
⑬後見人候補者の戸籍謄本(3か月以内のもの)
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)(3か月以内のもの)
⑮本人が登記されていないことの証明書(3か月以内のもの)
⑯(お持ちの方のみ)愛の手帳のコピー

 

細かい点や、提出書類の書式は各家庭裁判所により異なる場合がありますので、事前に確認が必要になります。

 

3.各書類の説明

①後見開始申立書

申し立てを行うにあたって、その大元になる申請書になります。

申し立てを行う申立人、後見人を就けたいご本人の記載、及び申立を行う理由、後見人候補者等を記入していきます。

後見人の候補者をご親族(例えば子や配偶者)でと希望される方も多いかと思います。

しかし、裁判所はその候補者を選任するとは限りません。

ご本人の財産の多寡や、今までの看護状況、病状、親族間の意見の相違が無いか等を総合的に判断し、候補者を選任するかを判断していきます。

場合によっては、候補者が選任されたうえで、後見監督人が選任される場合や、後見制度支援信託をするように指示されてしまうこともあります
(こちらについて詳細は別トピックスにてご紹介いたします)

なお、候補者がいない場合には、候補者欄は空欄にて提出します。

その場合、家庭裁判所が所持している候補者名簿から職権で後見人を選任することになり、多くの場合、弁護士や司法書士が選任されます。

 

②申立事情説明書

こちらの書面では、ご本人の状況を詳細に記載します。

●現在どこに居住しており誰の支援を受けているのか(または受けていないのか)

●施設に入っている場合にはその連絡先

●ご本人の略歴(どの学校を卒業し、どこに勤めていたか等)

●病歴、介護(障害者)認定の区分け

●本人の親族と、その方の後見申立に対する意見(賛成しているか等)

●後見人候補者が後見人にふさわしい理由

 

等々、詳細に記載する必要があります。

ご本人のことを最もよく知っておられる方に記入して頂くのが望ましいといえます。

この書面が最も記入欄が多く、記載をどうすればいいか戸惑われる方が多いようです。

 

③親族関係図

ご本人を基準に、相続関係がいかになっているかを記載します。

裁判所は、将来ご本人が亡くなった場合、本人の相続人は何人いて、その方たちが後見申立について承知しているのか、また財産管理・身上監護を行っていくうえで協力を得られる親族がいるのか等の確認をしているものと思われます。

当法人では、後見申立のお手伝いをご依頼を頂いた場合には原則、委任状を頂き、相続関係を把握するための戸籍収集を致します。

相続関係を把握しておくことは、就任後の財産管理・身上監護をスムーズに行い、事後のトラブルを防止防止するとの観点からも重要になってきます。

 

④本人の財産目録及びその資料

成年後見人は、基本的にご本人の財産全てを管理することになります。

そこで、申立を行う際に、どのような財産があるのかの一覧が必要になってきます。

財産とは具体的には、預貯金、株式や投資信託や国債等の有価証券、生命保険や損害保険、不動産、債権、その他負債等を項目別に記入していきます。

預貯金は、具体的にどこ銀行のどこ支店にいくらの預金があるという詳細まで記入し、有価証券も銘柄や個数、評価額まで記入します

その他の財産も同様に、詳細に記載が必要になります。

このように、申立を行う際に提出する財産目録には、ご本人の詳細の財産の一切を記入する必要がありますので、申立を行う際には、ご本人の財産の調査が必要になります。

場合によっては、普段から財産を管理している親族に確認したり、ご自宅の中を探したり、郵便物から推察したりする必要も出てくるかと思います。

このように調査しても分からないものに関しては、後見人が就任した後に、後見人が調査することになりますので、現状で分かる範囲で作成していきます。

また、財産に関しては可能な範囲で資料の添付が必要になります。

 

預金あれば、通帳の写し、有価証券であれば証券の写しや、証券会社等から送られてくる案内書等、不動産であれば不動産の登記事項証明書等が必要になります。

財産を最も把握している親族の方や施設関係者等に確認して、可能な範囲でご本人のすべての財産を把握しなければならないため、財産の多寡によりますが、初めて申立を行う方にとっては大変な作業に感じる方が多いと思います。

しかし、ご本人の意思能力(記憶力)が衰えてしまっているため、後見申立人や後見人が見逃してしまうとご本人の財産が逸失してしまうことにもなりかねないため、しっかりと調査をする必要があります

 

⑤相続財産目録及びその資料

こちらは、未分割の相続財産がある場合に記入が必要になる書類です。

例えば、ご本人(女性)の夫が既に3年前に亡くなっていて、ご本人の娘とご本人で預貯金や不動産を相続したが、遺産分割を行っていない場合等に必要になってきます。

遺産分割協議も、後見相当で判断能力が無くなっている場合には、そのままでは行うことができません。

そこで、後見人が就任した後に遺産分割協議を行うのですが、その協議の対象となるであろう財産も目録として作成し、資料と併せて裁判所に提出する必要があります。

これも上記④と記入の仕方に大きな違いはなく、調査が可能な範囲または入手が可能な範囲で、目録の作成・資料の収集が必要になります

 

⑥本人の収支予定表及びその資料

こちらは、後見人が就任した後のご本人の収支がどのようになるのかをわかるようにする書類です。

収入がいくらの予定で、支出がいくらの予定か、ということを記入する書類になるのですが、ここでも詳細に記入する必要があります。

収入としては、厚生年金、国民年金、その他の年金、給与、賃料報酬等の項目別に、それぞれいくらもらえる予定なのかを詳細に記載していきます

支出の記載はさらに細かくなります。例を挙げれば、

生活費(食費・日用品・電気ガス水道)、療養費(施設費・入院費・医療費)、住居費(家賃、借地の地代)、税金(固定資産税・所得税・住民税等)、保険料(国民健康保険料・介護保険料・生命保険損害保険料)、等々の要領で、何にいくら支出することが予定されているかを記載していきます

また、収支に関しても可能な範囲で資料の添付が必要になります。

収入については、年金の額がわかる年金通知書のコピー、株式の配当金であれば配当金通知書のコピー等がこれにあたります。

支出については、施設費用のわかる領収書、住居費(例えば住宅ローンや家賃)の領収書や計算書、固定資産税の納税通知書等がこれにあたります。

これらの資料は申立の直近2ヶ月分のものが必要になりますので、申立人の手元に無い資料があれば、持っている親族や施設等の関係各所に話をし、資料をもらっていく必要も出てきます

 

⑦後見人候補者事情説明書

この書面は、後見人の候補者を立てて申し立てを行う場合に提出が必要になる書面です。

例えば、母親が認知症を患い、娘が後見人候補者として申し立てを行う場合に必要になります。

仮に、親族が遠方に住んでいるために後見人として活動をすることが難しい場合や、そもそも親族が疎遠になっていて後見人になってもらいたいと頼むことが実質不可能等の理由で、後見人に就任する候補者が不在の場合には、この書面の提出自体不要になります。

後見人候補者事情説明書は、後見人の候補者に関して詳細に記載していきます。

後見人候補者の職業、年収、勤務先、職歴、家族構成、家族の年齢や職業、候補者となった経緯や事情等を記載していきます

なぜこんなプライベートなことまで裁判所に報告しなければならないのかと思われる方も多いと思います。

しかし、これは裁判所がこの候補者を後見人に選任することで、被後見人の利益をしっかりと守ることができるかの適正をみているためです

もちろんこの形式的な情報のみで判断できる部分は限られてくるとは思いますが、例えば、収入がある程度確保されているのであれば、被後見人の利益を侵害する可能性が比較的低いといえるでしょう。

また、家族がいたほうがサポートを受けながら後見業務を行っていける、といえるので問題が少ない等が考えられます。

被後見人本人の利益をしっかり保護するという成年後見制度の趣旨を実現するために、このような詳細な情報を提出する必要があるのです。

 

⑧親族の意見書(同意書)

後見申し立てを行う場合に、親族がどのような意向なのかを確認するための書面も併せて提出します。

「親族」は、基本的に被後見人が仮に将来死亡した場合に、相続権のある者が範囲として想定されています。

ただし、申立を行う者(申立人)は、賛成であるのが明らかなので、提出は不要です。

 

例えば申立を考えているXの両親A及びBが健在で、Xには弟Yがいるとし、Aの後見申立をXが行う場合、仮にAが死亡した場合の相続人はB、X、Yなので、裁判所に提出する意見書は、申立人Xを除くB及びYのものとなります。

また、例えば子のいないAには、既に亡くなっている姉Bがいて、Bには妻Cと子X、Y、Zがいたとします。

Aの後見申立Xが行う場合、仮にAが死亡した場合の相続人はX、Y、Zなので、裁判所に提出する意見書は、申立人Xを除くY及びZのものとなります。

 

意見書に記載する内容は、

①本人(被後見人)との続柄、本人について後見(保佐・補助)を申立ることについて賛成か反対か

②候補者を立てて申し立てを行う場合には、当該具体的候補者が選任されることについて賛成か反対か

の2点です。実際にはチェックボックスにチェックをしていきます。

これは、(将来的に)相続権のある親族間に争いがあると、例えば一部の(将来の)相続人のみで自己に有利な管理をする等により不公平感が増大してしまうことがありえるため、当該候補者を後見人とすることがかえって家族間の争いを助長させてしまう恐れがあるのかどうかをみていると考えられます

本人(被後見人)のための制度であるのに、本人に後見人が就くことで親族間が揉めてしまうことはかえって本人を害する結果となってしまうため、裁判所としても避ける必要があります。

一部の親族の中に、候補者(ある相続人)が就任することに反対の場合には、家庭裁判所としては、弁護士や司法書士等の第三者(専門職)を就任させた方が良いと判断する可能性が高くなると考えられます。

⑨医師の診断書及び診断書付票(3か月以内のもの)

後見を申立するにあたり、そもそも被後見人となる方が、後見人を立てる要件に該当する状態なのかに関しては、医師等の専門家でないと判断ができません

つまりご本人の状態が、法律上の文言でいう「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるか否かの判断は、申立を行う親族の意見のみでは不十分であり、医師による診断書をもって裁判所が判断していくことになります

直近の状態のものでないと判断ができないということもあり、基本的には3か月以内作成のものが要求されます。

 

基本的にはかかりつけの医師が最もご本人の状態を把握できると考えられるため、かかりつけの医師にお願いするのが良いと思います。

ただし、全ての医師が精神状態に関しての専門ではないため、かかりつけの内科医等に診断書の作成を断られてしまうこともあるようです。

その場合には、「物忘れ外来」や「認知症鑑別診断」を行っている病院等に問い合わせしてみると、対応してもらえる病院がみつかると思います。

 

 

なお、本トピックスでは詳細は割愛致しますが、後見よりも弱い「保佐」、「補助」という類型もあり、医師の診断書に基づいてどの類型に該当するのかを判断していくことになります。

保佐は「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である」者、また補助は「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である」者とされています

それぞれ保佐人補助人が家庭裁判所により選任され、後見よりも弱い措置が取られていくことになりますが、こちらは別のトピックスにてご紹介いたします。

この診断書につきましても、家庭裁判所のホームページにファイルが載っておりますので、印刷したうえで医師に記入をお願いするということになります。

外部サイト⇒家庭裁判所ホームページ「成年後見制度における鑑定書・診断書作成の手引」

 

内容は、診断名(病名)や、重症度、検査をした際の点数(例えば長谷川式の認知症テスト等)、脳の萎縮や損傷の有無、回復の可能性などを記入してもらいます。

また、診断書内に

①「契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができる。」

②「支援を受けなければ,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することが難しい場合がある。」

③「支援を受けなければ,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない。」

④「支援を受けても,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない。」

 

という項目があり、どれに該当するかをチェックボックスにチェックするというものがあります。

基本的に④については後見相当、③については保佐相当、②については補助相当、①についてはどれも不要ということになり、とても重要な項目となります

こちらのチェックにてすべてが判断されるわけではありませんが、それを覆すようなものが他の記載から読み取れない限り、上記のような判断を裁判所も踏襲することになるでしょう。

その他、

●他人との意思疎通の障害の有無

●理解力・判断力の障害の有無

●記憶力の障害の有無

 

についても、4段階でチェックするという項目もあります。

そもそも後見申立が必要な状態なのかを知りたいという場合には(診断書作成の費用を医師に支払う必要はでてきてしまいますが)この診断書の記入を医師にお願いし、上記項目等を参照して、申立を行う必要があるのかをご判断いただくという方法も良いでしょう。

また、診断書には「診断書付票」という書面も同時に医師に記入してもらいます。

 

後見申立が行われ、家庭裁判所が診断書等提出された書類をもっても「後見」「保佐」「補助」のどの類型を選択するべきかの判断がつかないこともあります。

そこで、そのような場合には、家庭裁判所の職権で、鑑定というものが行われます。

これは、家庭裁判所が選任した医師によって、より詳細に本人の状態を把握し、診断していくというものになります。

上記「診断書付票」には、仮に鑑定を行うことになった場合に、引き受けてもらえるか否か、またその場合にかかる期間や報酬額を記載してもらうものになります

家庭裁判所はこちらの記載も参考にしたうえで、鑑定を行う場合にはこの診断書を記載してもらった医師に依頼するか、別の医師に依頼するのかを決めていきます。

 

⑩本人確認情報シート

後見申立を行う際には、医師による診断書を提出することで、ご本人の状態を家庭裁判所が判断しますが、この医師の診断書の補足資料として、「本人情報シート」を提出していきます。

基本的にご本人の普段の様子等を記入していく書類になります。

まずは形式的な部分で、現在どちらにいるのか(ご自宅なのか施設なのか病院なのか)、施設や病院でしたらその名称や所在介護認定や障害者認定等の該当区分認定日等を記載していきます。

次に、実質的な部分で、普段の生活の中で身体的な支援が必要か、またどの程度の支援が必要か、それに伴って今後の支援体制としてどのようなことが必要になってくるのかを記入していきます。

また、認知機能の程度として、日常的な意思伝達能力の程度日常生活の短期的記憶能力の程度家族を認識できるか等を記入していきます。

その他、下記のような内容を記入していきます。

 

●日常生活上支援が必要な行為

●地域社会との交流の頻度

●金銭の管理を現在どのように行っているのか

●今後生じうる課題

●ご本人に裁判所の手続きをすることについて説明しているのか
(又は認知症の程度が重度で、説明しても理解できないので説明していないのか)

●本人にとって望ましい日常生活及びそれに関する課題と解決策等

 

内容としては記入が簡単ではないうえ、日常的にご本人にある程度関わっていないと記入できないものと言えます。

そこでこちらの書類については、基本的には福祉関係者に作成してもらうことになります。

明確に決まりがあるわけではありませんが、例えば自宅にて訪問介護をうけている方であればケアマネージャーの方、病院に長期に入院中の方でしたら、病院にいる相談員ケースワーカーソーシャルワーカー)等に記入してもらうことになります。

なお、こちらの書類は提出が義務ではなく、可能な限り提出が求められている書類になります

これは、例えばご本人の配偶者の方がご自宅で介護をされていて、ヘルパーさんも頼まれていらっしゃらず、入院もしていなくて、書いてもらえる方がいない場合も想定されるからです。

この場合には、提出が義務になっている②申立事情説明書において、ほとんど同じような項目があります。

そして、本人情報シートを提出すれば、申立事情説明書のこの項目についての記載は省略できる、との構成になっています

逆に言えば、本人情報シートの記入を福祉関係者に依頼できない場合には、申立を行う方(例えば本人の配偶者や子等)が申立事情説明書に当該項目を詳細に記入する事で、本人情報シートの提出は不要になります。

本人情報シートの記入を福祉関係者に依頼できる場合には、本人情報シートを福祉関係者に記入して頂き提出する代わりに、申立を行う方(例えば本人の配偶者や子等)の申立事情説明書の当該項目の詳細な記載は免除されるということになります。

裁判所からすれば、医師の診断書ももちろん重要ですが、ご本人の近くにいて、日常生活を実際に見ている方に様子を聞くことで判断材料にしていく、という点を考慮すると重要な書類であるといえます。

余談となりますが、この書類作成を通して、日常生活がどの程度可能で、どのような支援が必要なのか等、改めてよく考えてみていただき、ご本人にとって何が最良な環境なのか(在宅介護なのか施設入所なのか、どの程度支援が必要な施設を選択するか等々)を改めて考えていく良い機会ともなるでしょう

 

⑪本人の戸籍謄本
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)
⑬後見人候補者の戸籍謄本
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)
※すべて3ヶ月以内のもの

成年後見を申し立てる際に、被後見人予定者や後見人候補者に関して、何通か提出しなければならない証明書があります。

申立書類を受領した裁判所としては、被後見人予定者や後見人となる候補者の方が、実在する人物なのか、またどこに居住しているのかを確認するため、公的な証明書類が要求されます

まず、被後見人予定者本人の戸籍住民票(または戸籍の附票)です。

直近のものの証明書が要求されますので、どちらも発行後3か月以内のものを提出する必要があります。

 

また、住民票に関しては戸籍の附票にて代用が可能ですが、戸籍の附票という書類はあまりなじみのある書類ではないかと思います。

簡単にご説明すると、今現在の本籍にいる期間について、その期間内に住所を移転した遍歴を、全て記載した書類になります。

余談ですが、本籍は結婚や養子になる等以外で変更しない方が多いため、頻繁にお引越しされている方が住所遍歴を証明するためには非常に便利な証明書かと思います。

こちらも住民票と同じく、住所を証明する書類ですので、住民票の代わりになるということです。

 

住民票に関しては、マイナンバー(個人番号)を載せることができるようになっておりますが、裁判所はマイナンバーを記載した書類の受領ができないため、マイナンバーは省略したものを取得する必要がありますので注意が必要です

また、後見人候補者をあらかじめ指名して申し立てを行う場合、当該後見人候補者の戸籍謄本と、住民票(または戸籍の附票)も提出する必要があります。

こちらに関しても、期限の3か月、マイナンバーを載せたものは使用できない点は、被後見人本人の戸籍、住民票と同じですので、注意が必要です。

また、住民票はやはり戸籍の附票にて代用可能です。

 

⑮本人が登記されていないことの証明書
(3か月以内のもの)

この書類は、既に後見制度を利用していて、後見人等が就任している方に対し、二重で選任されることのないように、提出が求められています

従いまして、「被後見人予定者の方」に関して、後見/保佐/補助/任意後見について既に「登記されていないことの証明書」を提出することになります

こちらの書類は、(東京23区の場合)東京法務局の後見登録課に対して発行を依頼するものになります。

登記されていないことの証明書」の請求をする際に、「どの登記」がされていないことを証明する必要があるか、を発行請求書に記載することになるのですが、先述のとおり、「後見/保佐/補助/任意後見について」が求められていますので、一部でも欠けていると証明書を取得し直しとなってしまいます

そのため、取得請求書を記載する際は必ず「後見/保佐/補助/任意後見」の全てと記載(またはチェックボックスにチェック)してください

 

⑯愛の手帳のコピー(お持ちの方のみ)

こちらは知的障害のある方が被後見人予定者となる場合、お持ちでしたらこちらのコピーも提出書類となっておりますので、併せて提出する必要がございます。

 

後見申立を行う際に家庭裁判所に提出する書類のご説明は以上となります。


成年後見の申し立ては、収集する書類が多く、一般的になじみの薄い手続きですので、ご自身で行うのは時間と労力がかなりかかってくると思います。

司法書士法人鴨宮パートナーズでは、制度について何もご存知なくても、一から丁寧にご説明させて頂きまして、書類の収集代理・提出書類の記入代理、さらに家庭裁判所との連絡も当法人にて致します。

成年後見の申し立て手続きをお考えの方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズにお気軽にご相談下さい。

 

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