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相続人以外に財産を残すには?②~包括遺贈~  (2020.11.17)

包括遺贈

 

 

 

≪目次≫
1.包括遺贈とは
2.債務も承継する?
3.包括遺贈の放棄
4.遺贈するうえでの注意点
5.遺言執行者

 

1.包括遺贈とは

前回のトピックスでは「特定遺贈」をご説明しましたが、今回は「包括遺贈」についてお伝えします。

⇒【相続人以外に財産を残すには?①~特定遺贈~】はこちら

 

包括遺贈とは、財産の全部または割合的一部を包括的に遺贈するもので、例えば、

財産の全てを与える」や、「全財産の1/4を与える」など、相続分の割合を遺言者が指定します。

「財産のすべてを」であれば貰えるものが明確ですが、上記のような割合が指定された場合、受遺者は具体的に何をもらえるか分かりません。

ですので、他に相続人がいる場合は、その方と「遺産分割協議」を行う必要があります

包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有することになります。

 

2.債務も承継する?

包括受遺者は、相続財産に対して相続人と遺産の共有状態になるので、債務も承継することになります。

つまり、プラスの財産だけではなくマイナスの財産も引き継ぐことになります。

 

3.包括遺贈の放棄

もし債権者から返済を請求されたら、応じる義務があります。

ですので、返済したくない場合は、包括遺贈の放棄を行う必要があります。

相続放棄の申立てと同じように、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申述が必要となります

このように相続人と近い地位になるのが包括遺贈の特徴です。

 

4.遺贈するうえでの注意点

遺言書を作成する場合に、特定遺贈にするか包括遺贈にするかは慎重に検討するべきです。

包括遺贈にしてしまうと、上記のように受遺者には債務も承継されることになります。

また、遺留分についても考慮する必要があります。

兄弟姉妹以外の法定相続人には「遺留分」という最低限相続できる割合が決められています。

そのため、特定の相続人の遺留分を侵害して遺贈してしまうと、遺留分を持った相続人から遺留分侵害額請求権を行使されることがあります

 

5.遺言執行者

相続人以外の第3者に贈与する際は、遺言書で遺言執行者を選任していると、手続きがスムーズに進みます。

遺言執行者は、遺言者が亡くなった後に、遺言者の意思が実現するのを見届けてくれる人です

必ず必要となるわけではありませんが、遺言執行者が選任されていると、相続人に代わって遺贈対象となった相続財産を管理するため、確実に遺贈が行われることになります。


いかがでしたでしょうか。

当法人では、何故遺言を書くのか、その方の置かれた背景事情や家族関係、遺留分のこと等を踏まえ、オーダーメイド型の遺言文案を提案することを心がけています。

遺言執行者に関してもお引き受け致しますので、相続対策でお悩みの方は、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

相続人以外に財産を遺すには?①~特定遺贈~  (2020.11.04)

特定遺贈

 

 

 

≪目次≫
1.特定遺贈とは
2.遺贈の放棄

 

以前のトピックスにて、相続人の順位等を取り上げてきました。

【法定相続人とその見分け方】
【相続開始時における不動産調査】

相続人がいない方の財産は、遺言等で承継先を指定していない限り、相続人不存在となり、国庫へ納められます

これを回避するのに有効なのは、遺言書により、相続人以外の方へ財産を承継する方法です。

これを遺贈といいます。
※相続人がいる場合でも、相続人ではない方へ遺言を利用して財産を承継する事も遺贈といいます。

受遺者(財産をもらう方)は個人、法人問わず、自由に選択することができます。

遺言は契約や財産を渡す側・もらう側双方の合意を必要とせず、財産を渡す人の一方的な行為であり、これを法律上、単独行為と言います

遺贈はその指定方法の違いにより「特定遺贈」・「包括遺贈」に分かれます。

今回のトピックスでは、「特定遺贈」に焦点を当ててご説明いたします。

⇒「包括遺贈」についてのトピックスはこちら

 

1.特定遺贈とは?

特定遺贈とは遺言者が受け渡す遺産を特定する遺贈方法です。

○○に、A建物を遺贈する。」など誰に何を渡すかを記載します。

ポイントは遺産のうち、どの財産が遺贈対象物なのか、具体的に特定できる必要があるということです

したがって銀行預金であれば金融機関名、支店名、預金の区別(普通・定期・当座)など口座番号を明記します。

特定遺贈の場合は、遺贈者の借金などのマイナス財産を引き継ぐことはありません

2.遺贈の放棄

特定遺贈の場合、意思表示をすればいつでも放棄が可能です。

ただし、例えば特定遺贈の他に相続財産がある場合、受遺者の意思がいつまでもはっきりしないと相続人関係者は遺産分割ができませんので、相続人等の利害関係者は受遺者に対して特定の遺贈を承認するか放棄をするかの確認の催告をすることが可能です。
(『催告』とは、相手方に対して一定の行為を成すように請求する事を言います。)

ここで受遺者が決められた期間内に回答しない場合は、承認したものとみなすことができます

また、一度行った承認・放棄は撤回できません。ただし、制限行為能力者、詐欺・強迫を理由として承認・放棄の意思表示を取り消すことはできます。

なお、遺贈にて取得した不動産は、3年10カ月以内に売却すると、譲渡所得税を軽減する事ができます。

 


いかがでしたでしょうか。今回は「特定遺贈」に焦点を当ててみました。

次回は「包括遺贈」についてご説明いたします。

冒頭でご説明しました通り、相続人がいない場合、何もしないでいると、ご相続発生時に、ご自身の大切な財産が国庫に流れてしまう事になります。

『お世話になった友人に財産を譲りたい。』『ライフワークとして活動していたボランティア団体に寄付したい。』等、当法人にも様々な想いを寄せられるご相談者様がいらっしゃいます。

遺言・遺贈のご相談は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

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